映画『毛虫の神秘』
斎藤『それがじゃないよ。俺たしかに、その、事前ミーティングで、言ったろ。宇宙の果てと言ったって、何にも変わりはしないって。』

みよ『言ったっけ?』

斎藤『言ったさ!あー、イライラする!』

みよ『イライラしないでよ。勘弁。』

斎藤『誰のせいなんだよ。議事録、見せようか。』

みよ『議事録なんて、あんの?』

斎藤『ないのか。』

みよ『ないしょ。』

斎藤『何で、ないんだよっ。』

みよ『誰にキレてんのよ。』

斎藤『誰かしらだよっ。』

みよ『災難な誰かしらさん。』

斎藤『お前だよっ』

みよ『おぇ。』

斎藤『今、吐き気催した?』

みよ『催した。』

斎藤『なに催してんだよっ。催すのはな、催し物だけにしとくんだなっ』

みよ『あに言ってんのよ。』

斎藤『自分でも、分かんねぇよ。フッフッフ』

みよ『え、なに』

斎藤『フッフフフ』

みよ『え、ちょっと待って。マジ怖いんですけど。』

斎藤『さっき、議事録はないと言ったな。』

みよ『言ったわよ。それがなに。』

斎藤『確かに、議事録はない。しかしね、僕はミーティングを、ボイスレコーダーで、録ってるんだよ!』

みよ『はぁ?ちょっと何やっちゃってくれちゃってる訳?』

斎藤『バッチリ録れちゃってんじゃないのかなぁ、ンフフ』

みよ『ちょっと、これって、何気に、プライバシーの侵害に抵触しないわけ?』

斎藤『しないわけだよ。公式のミーティングだろうが。』

みよ『あ、そっか。』

斎藤『ふわーははは、あーははは、愉快愉快!リゾート!』

みよ『最後、なに』

斎藤『ちょっと言ってみたくなっちゃったんだね。ンフフ』

みよ『あ~、マジきめぇ。』

斎藤『じゃ、再生ボタン押しちゃうよ、あ、ポチっとな!』

ビー!!ビー!!ビー!!
エマージェンシー!!
緊急事態!!タコ怪人発生!!
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