硝子玉
次の日起きたら、まぶたが腫れていた。

……こんな顔で仕事なんて。

ため息つきつつ出勤した途端、店長に事務所に呼ばれた。

「……悪いけど。辞めて欲しい」

そう云って差し出されたのは、分厚い封筒。

「どういうことですか?それにこれは?」

「退職金という名の、手切れ金というか迷惑料というか。
……昨日、翠と揉めただろ」

「……はい」

……あれ、をなかったことにする替わり?

「この店のオーナー、実は翠なんだ。
俺としては夏帆ちゃんに辞めて貰うのは忍びないんだけど、翠が辞めさせろって云うからさ」

「はい、わかりました。
……とでも云うと思ってるんですか、あの人は」

「夏帆ちゃん?」
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