いなくてもいい私が、いたあなた
私は居なくても


いいの…。





小さい時はそんな事全然思ってなかったよ。

逆に私は居て当たり前の存在だと。

私はこの世界に居なくてはいけない存在だなんて思ってた。


でも、私はある日気づかされてしまった。



小学1年生の私は学童に通っていた。

日付はもうあやふやで覚えてないけど、土曜日だった。

お父さんが学童に送り迎えしてくれる曜日だったからそれは覚えてる。


『あずさ、お父さん5時に迎えに来るから、それまで良い子にしてるんだぞ』

『うん!』

いつも通りの会話。

『バイバイ!』

『バイバイ!!』

いつも通りのお父さんの笑顔。

『あずさちゃん、宿題やろうか』

『うん!』

いつも通りの日常。

何もかもいつも通り。


いつも通り…のはずだった。
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