嫌い、嫌い、好き。
誰か人が入って来ていることにも気付かず、声を殺して泣いた。
突如暖かい何かがあたしを包んだ。
顔を上げると、あたしの肩には上着がかけられていてクラス担任の蓮沼先生があたしの頭を撫でていた。
それまでは全然話したことなんてなかった。
でも上着の匂いや先生の手の温もりに安心して、声をあげて泣いた。
プライドの高いあたしが、誰かの目の前で泣いたのなんて初めてのことだった。
先生は何も聞かず、ただ傍にいてくれた。