嫌い、嫌い、好き。




それから先生とはよく資料室で会っていた。



別にこれといって会う理由なんてなかったけど、お互い何も言わずに寄り添っていた。



先生とはいろんな話をした。



実は結婚している人がいるらしい。



でもその人のことは忘れてしまいたいだとか。



恋愛に関して臆病になっているらしい。



あたしと同じだ、そう思った。





「それならあたしが忘れさせてあげますよ」





なぜそう言ったのかわからない。



気まぐれだったのか、先生に興味が湧いたのか。



たぶん寂しさを何かで埋めてしまいたかったんだと思う。



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