嫌い、嫌い、好き。
自分が満たされればそれでよかったのかもしれない。
とりあえず、あたしという人間を受け入れてほしかった。
先生なら受け入れてくれると思った。
先生に触れるだけのキスをした。
先生は一瞬驚いたように目を見開いた。
一瞬の沈黙だったけれど、とても長く感じた。
すると先生はこちらをキッと睨み、あたしの肩を乱暴に押した。
天地がひっくり返り、床の冷たさが背中に伝った。
「せんせ──」
「“和希”」
先生は冷たくいい放ち、あたしにとても深いキスをした。
あたしの腕を頭の上で縛り付け、片手で慣れた手つきでボタンを外していく。
シュルシュルとスカーフを外した。