あなたを好きで幸せでした。
｢澪ちゃんあっちのお客さんについてねー！｣
｢はーい！｣


私はとあるラウンジで働いていた。
お金を稼ぐために夜の世界に飛び込んだのだ。
初めて勤め始めた店で私は彼に出逢った。


｢いらっしゃいませー！｣


扉が開いた先に店の先輩と男性が入ってきた。
昼間に働いている同僚さんらしい。
最初の印象はもっさいひと。
でもおちゃらけた面白い人。
彼は先輩がいる時に何回か来てくれて、私とも仲良くなってきた。
そんな私はその時、ある秘密を抱えていた。


前に付き合っていた彼氏との間に子供が出来ていたのだ。
中絶できる期間を過ぎてしまい、産むことしか出来なかった。
しかし18の私には子供を育てることは出来ず、施設に預けることになった。


その後の私は荒れていた。
仕事に熱中し、もう恋愛なんて2度としない。
そう決めて毎日を過ごしていた。


店を休む理由として子供を産むなんて言えない私は子宮筋腫といって嘘をつき、退院した後店に出勤した。

退院した知らせを聞き、彼は先輩がいないのにも関わらず店に来てくれた。


｢退院おめでとう！良かったら退院祝いにご飯でも行こうか。｣

｢え！いいんですか？｣


こうして私は彼と同伴と言う名の退院祝いをすることになった。

同伴当日。
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表紙・目次

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