好きな人は幼馴染み ー短編集ー
「…えーなんで?
亜子の側にいたら
いけないってこと?」
不満気にエイちゃんが言うと
「必要以上に外でアコにベタベタしなければいいだけだから!
2人は仲の良い幼なじみって事で
いいじゃない?嘘ではないしね?!
元々、英輔は私達以外の女子とは
ほとんど口も聞かないし…
後は、私がテキトーに誤魔化すから!」
「…うーーん
わかったよ…
でも、亜子は俺のだからね。
何かあったら俺が守る」
と、言って
エイちゃんは渋々了承して
私をベッドに一旦戻すと
背中を向けてしゃがみこんだので
今度は素直にエイちゃんの
背中に腕を回すと
エイちゃんは私をおんぶして
歩きだした。
エイちゃんの背中は広くて
高くて、暖かくて、安心できて
良いニオイがして
顔なんか見えなくたって
カッコいいから
何年一緒にいても
胸が高鳴ってドキドキした。