衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー
「……どうした?俺の顔になにか付いているか?」
「っあ!い、いえ!」
副社長に言われ、我に返る。
いけない、いけない。
つい、じっと見てしまった。
逃げるように、私は作り直されて出されたテネシー・クーラーを口に運んだ。
「……へえ、テネシー・クーラーか」
「好きなんです。これを飲むと、一日の嫌な事も全て消えていくんです」
そう言うと、副社長は笑った。
そして、ウィスキーの入ったグラスを少し回して、口に運ぶ。
「なんだ、嫌な事でもあったのか」
「まあ、色々と。とりあえずこれを飲んで、まずは先程の発言を忘れる事にします」