衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー

まさか副社長が変態発言するなんて、衝撃的過ぎて。

これから会社で顔を見るたび、この人は変態なんだ、って思うのもアレだし。


「ああ、あれはな。あの女がなかなか俺を諦めないから、俺が普段口にしないような、突拍子もない事を言えば諦めてくれるだろうと、そう思ってな」


「だからって、こんなムードのある場所であの発言はないでしょう。たまたま私とマスターしかいなかったからいいようなもの、他にも人がいたらどうするんですか」

「こんな場所で言うからこそ信憑性が増すだろう？」


「……変態だってバラされてもいいんですか？」

「その時はその時だな。いくらでもやりようはある」


なんだそりゃ……。

話すのも疲れて、私はまたお酒に逃げた。


さすがに変態ではないんだろうけど、でも意外と変な人？

どっちにしろ衝撃的な事には変わらないんだけどね……。


「まあでも、お前に聞かれてもさほど嫌がった素振りを見せなくて良かった。安心した。言っとくがあの発言は断る為のものであって、事実じゃないからな」


「逆に本当だとしたら、会社で顔を合わせられないですよ」



「そうか、ならいいんだ。……それにしても今日はいい日だな。しつこい女を切る事が出来たし、それにお前と会社じゃない場所で会う事が出来たから」