衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー
っていうかさ。


なんでこんな事になってんの?

どうやって私の家を知ってるの?


もしかして、あの日タクシーの後を追った?

それともどっかで私の後を追って突き止めたとか?



氷を入れたグラスを副社長に渡し、床に散らばった物を脇によけてスペースを作ると、そこに座る。

場所は部屋の扉の近く。

もちろん何かあったらすぐに逃げられるように、だ。


だって怖いじゃん。

どうやって私の住む場所を知ったのかとか考えると、凄い怖い。


いくら副社長といえど、ストーカーまがいの事をして勝手に家に上がり込むって、どう考えても異常。

ちょっとでも変な事しようもんなら、大声あげて逃げる体制とっとかないと。


副社長は扉の近くに座る私に気付き、そして笑った。

「なんでそんなとこに座ってんの?もうちょっとこっちに来たらいいのに。……ああ、別に襲わないから安心しろよ。警戒する女を襲うほど飢えている訳じゃないから」

「そ、そんな別に」

「思いっきり警戒してるように見えるけどな」

「ぐっ……」


……バレていたか。

まあ確かにこれだけの外見だもの、私なんて襲うに値しないよね。

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