衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー
***


「――おい」

……聞き慣れた声が、突然降りかかる。

テレビからにしてはやけにはっきりとしていて、すぐ近くから声を掛けられたみたいだ。


「――いつまで寝てるんだ、お前」

いつまでって、そんなの休日だしいいじゃない。

映画を見ながら、うつらうつら夢の世界に旅行するのが、この上ない幸せだって分からないの?


って。

……ん!?



「はっ!?」


驚いて目を開けると、目の前には副社長の顔。

あまりにも近かったものだから、思わず、ずざざっと後ずさった。


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