衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー
「な、な、な、なんで……!今日遅くなるんじゃ」

「夜の約束がキャンセルになってな」

「勝手に部屋に入るなんて!!」

「言っとくが、一応ドア越しに声を掛けたからな。でも反応なかったから入ってきたまでだ」


そう言って爽やかに笑う。


そりゃドア越しに声を掛けられても起きなかった私も悪いけど。

でもだからって、容赦なく部屋に入るのってどうなの!


「しかし凄い寝顔だったな。半分白目向いて寝てるからビックリした」

「し、白目っ…!?」


私は思わず顔を覆った。


まさかそんな醜態を晒してしまったとは!

白目向いて寝てるって、どんだけ!?


「最悪……。副社長に不細工な寝顔見られて、私もう生きていけない……」


「いやいや、寿命までちゃんと全うしろ。まあ驚きはしたが面白かったし、何よりお前らしくていいじゃないか。……やっぱりお前と一緒に暮らして正解だったな。どんなに毎日忙しくても、幸せだ」


……お前らしくってなんだ。

白目がお前らしいって、それ聞き捨てならん台詞!
褒めてるのかけなしてるのか分かんないわ!



……しかし。

白目で寝ている女を見ても幸せって言えるなんて、この人の神経どうなってるんだろう。


普通は引かない?

百年の恋も冷めるじゃないけど。


うーん、やっぱり。

俺は変態じゃないって言ってたけど、でもその発言聞いちゃうと……。

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