百年恋
「さっきから…人のこと花って!何なのよそれ!!」
私が怒鳴ると
「祐也、この娘は何も知らぬのか。」
ニヤニヤしながらソレの後ろに立つ水山くんに
話しかける
「彼女は記憶が完全ではない。
だから、お前等には必要ないだろう。帰れ。」
「何を甘いことを抜かしておる。記憶が戻っていまいと、連れて帰るのが我が使命。」
「そうか、忠告したのにざんねんだ。」
水山くんがそう言うと、ソレの首にナイフ…ではなく、時代劇でよく見る“くない”が当てられていた。
「小僧…いつのまに。」
「俺は、祐太郎とはちがうんだ。」
彼は…水山くんはソレの首を掻っ切った。
「無念。」
ソレは静かに倒れると黒い灰になって消えた。