百年恋
「すぐ着くから。」
私はよく分からない道をかれこれ二十分程歩いている。
「すぐじゃないじゃん。」
水山くんのことを睨みながら言うと
「もう着いたから。みろ。」
「神社??」
私から見えるのは大きな古民家…と古ぼけた小さな神社と…記憶…
『やめて!やめて!!その人だけは…
何でもするから…お願い…します…』
手足を拘束されたまま私を見つめる男の人に刃を向ける人達
私の腕をつかみ『姫様…いけませぬ…』必死にとめる人達。
『彼は私の希望よ…!!彼がいないと…』
ああ…神様が本当にいるのなら、彼をお救い下さい。
どうしようもなく胸を締めつけられる。
その瞬間、容赦なく刃は振りおろされた
転がる首。溢れ出す血と涙。
『イヤあああああああああ!!!!!!!!』
「…野!水野!」
「水山くん…何今の…」
「お前…やっぱり。」
私は涙がでていることに気づいた。