私の運命の王子様はどこ!?


「……あとさぁ。

同い年に名前聞くんなら、まずそのぎこちない敬語やめた方いいよ?」


「は?」


……しまった。

今度は完全に声に出してしまった。

敬語でも、タメ語でも、名前聞くくらいどっちでも良くない!?

ほんと、いちいち癪にさわる……


「あなたと距離縮めるつもりないので、敬語で結構です。

別に名前も知りたくないので。私もう授業戻ります」


「あっそ。じゃあ一応教えといてやるよ。橘 一椛、俺の名前。
膨大な貸しをチャラにされたら困るし」


それだけ言い残して、男は私の横を颯爽と通り過ぎ、保健室から出ていった。

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