私の運命の王子様はどこ!?


「………だから、ありがとうって言ってるでしょ?
いいから、ほっといてください」


「はいはい。じゃーお先に」


男が、スタスタと遠ざかっていく。

ほんとに、ケガ人を置いて行きやがった……、まぁ私がほっといてって言ったんだけど。


収まらないイラつきをバネにして立ち上がったはいいものの、足に激痛が走った。


「っ!!……助けなんか、いらないもん」


仕方ない、今日は遅刻してもいいから、ゆっくり行こう。

遠くなった男の背中が、目に入る。

……命を救ってくれたとこは感謝してるけど、なんか、嫌な奴。




そういえば、制服だったな。

どこのだろう?男子の制服は夏になるとどこも似たり寄ったりで、さっぱり区別がつかない。
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