星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
先生が再び私の指導をしてくれることになったあの日、両親が帰宅すると真っ先に東京の外国語大学に行きたいと話をした。



「なんでそんな所行く必要あるの?」



母はあからさまに嫌な顔をした。

父に至っては話も聞いてくれなかった。



(でも私は決めたの。)



私はもう以前のように諦めたりしない。

どんなに困難でも東京の大学に行く。

先生の母校の大学に行く。



私は母に、目指す大学が国大に劣らないことや将来性の高いこと、
それに残り数ヵ月の追い込み次第で合格圏に手が届くことなんかを話した。



けれど、未だ一歩たりとも前進してはいない。



これが今の現状。
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