星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
「はぁ…」
駅前の花壇の縁に座り、深い溜め息を吐く。
あれから更に数時間。
それらしい建物は見つからず、手近なカフェで少しの食事と休憩を取ったのみで
駅から南を散々うろうろし、今に至る。
時計の針はついに午前0時を回ってしまった。
改札口から出てくる人もやがて疎らになり、ついには誰も居なくなった。
しばらくして駅員がシャッターを閉めに出てくる。
(へぇ、毎日こうやって閉めてんだぁ…)
なんてぼんやり思ってみたりするけど、現実はそんな呑気な状態じゃない。
終電が終わり、もう家にも帰れない。
いや、スマホの電源を入れて家に助けを乞えば帰れないこともないけれど、そもそも帰る気もないわけで…