星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合

「それと…

まぁ、その、なんだ…

正直ちょっと…

村田先生に妬けたってのもあったんだけど…」

「え?」

「いや!なんでもない!」

先生が咳払いする。



駅舎が見えてくる。

今日はここでお別れ。

でも、いい。



私は『妹』だから、また明日も逢える。



私たちはどちらからともなく手を離す。



「ね?『妹』って恋愛対象外ってこと?」

切符を買う先生になんとなく訊いてみる。



「ばっ…!

何言ってんだよ!」



先生はそれ以上応えず、

「また明日な。」

と手を振って改札の中に消えて行った。



「また明日も…明後日も…

ね?」



私は周りも気にせずスキップで家路を辿った。



国大入試まであと約4ヶ月─

     *  *  *
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