星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合

「今日持ってんの?模試の問題。」

「あ、今日はない…」

「明日持ってこいよ。見てやる。」

「いいの?」

「今更。どうせいつも聞きに来てんじゃん。」

「…ありがとう、先生。」

「一緒に頑張ろ?な?」



先生は前髪を掻き上げた手を頭に置いたままいつもの眩しい笑顔で微笑む。



今朝まであんなにあんなに先生に逢える心持ちじゃなかったのに、今またこんなに胸の奥がきゅんとしてしまう。



(好き…こんなに好き!)



「はいっ!!」



先生の為にも頑張りたい。

私のこと、いつも優しく気にかけてくれる先生の為に…



つまらないことで落ち込んで逃げ出そうとする私を止めたい。

先生に『自慢の妹』と思われる私になりたい。



これからもきっと落ち込んだり、舞い上がったり、ぶれながら進む私だと思う。



でも、いつだって先生を好きだって気持ちに嘘はないから。



大好きな先生の期待に応えたいって気持ちに嘘はないから─

     *  *  *
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