星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
「じゃ、メアド変えよう。」
一頻り笑った先生がバッグからスマホを取り出す。
「え?今?」
「うん。」
先生が素早くスマホを操作する。
「南条は誕生日いつ?」
スマホを弄りながら先生が訊ねてくる。
「え、と…12月12日。」
「もうすぐじゃん。
何かお祝いしないとね。」
「えっ!いいよ、そんなの!
みんなにお祝いしてたら先生大変なことになっちゃうよ。」
「さて、出来た。
今新しいアドレス送る。」
先生は更にスマホを操作すると、
「スマホ見てみ?」
と言う。
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Date: 201x 11/xx 17:48
From: Subaru Hatsuhara
〈xxx_pleiadesxx1212@……〉
Sub: メアド変えました。
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-END-
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「!!」
先生に促されてスマホに届いたメールを見た私は言葉を失う。
なぜなら新しいメアドの数字は
私の誕生日だったから─
「先生、これ…」
「これなら詐欺に遭わないな。」
「詐欺には遭わないけどさ…」
心音は速まったまま緩まる気配がない。