星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
2学期
12月~「先生私のこと…好きですか…?」
土曜日、私は塾に数学クラスの申し込みに行き、直ぐ翌週から早速授業が始まることになった。
これから週に一度、塾のある日は先生に逢いに行けなくなる。
それが何よりの不満。
でも今は我慢しかない。今はただ受験を成功させることを優先する。
自分のためにも、そして応援してくれる先生のためにも─
放課後、私は学校を出る前、普段より早い時間に英語準備室を覗く。
けれど案の定他の先生がいて、先生とは話せなかった。
私は「岩瀬先生を探してた。」と適当に誤魔化す。
「先生、バイバイ。」
と手を振ると、先生も
「またな。」
と返してくれたのが今日唯一の会話。
仕方なく学校を後にし、塾へと向かう。
冬のはじめの早々に暮れる空。
電車で二駅のいつも乗り換える駅で降り、少し歩く。
授業の始まる15分ばかり前に着くと、教室には既にぱらぱらと生徒が着席していた。
私は真ん中より少し後ろの空いた席を選んで座る。
それからテキストを何となく開いたまま、ぼんやりと教室のドアを出入りする人々を見るともなく眺めていた。
クラスの多くは近隣の県立高校の子達で、私と同じ学校の人はいないようだった。
そのほとんどは受験生らしい落ち着いた雰囲気の子ばかりで、一人か、せいぜい2、3人の少人数で教室に来て、席で静かにテキストを読んだりしていた。
これから週に一度、塾のある日は先生に逢いに行けなくなる。
それが何よりの不満。
でも今は我慢しかない。今はただ受験を成功させることを優先する。
自分のためにも、そして応援してくれる先生のためにも─
放課後、私は学校を出る前、普段より早い時間に英語準備室を覗く。
けれど案の定他の先生がいて、先生とは話せなかった。
私は「岩瀬先生を探してた。」と適当に誤魔化す。
「先生、バイバイ。」
と手を振ると、先生も
「またな。」
と返してくれたのが今日唯一の会話。
仕方なく学校を後にし、塾へと向かう。
冬のはじめの早々に暮れる空。
電車で二駅のいつも乗り換える駅で降り、少し歩く。
授業の始まる15分ばかり前に着くと、教室には既にぱらぱらと生徒が着席していた。
私は真ん中より少し後ろの空いた席を選んで座る。
それからテキストを何となく開いたまま、ぼんやりと教室のドアを出入りする人々を見るともなく眺めていた。
クラスの多くは近隣の県立高校の子達で、私と同じ学校の人はいないようだった。
そのほとんどは受験生らしい落ち着いた雰囲気の子ばかりで、一人か、せいぜい2、3人の少人数で教室に来て、席で静かにテキストを読んだりしていた。