星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
「与えられた等式の左辺を虚数単位iについて整理すると─」
コツコツと黒板に向かいチョークを走らせていた先生がこちらを振り返る。
「ここはどうなるか?今日は誰か聞いてみようか?」
そう言った先生と不意に眼が合う。
「そのセーラー服、菊花女学院?」
訊ねられ、私はこくりと頷く。
「ここの塾に菊花の子が来てるの珍しいね。
じゃあこれ、君に聞こうか。えーと、君、名前は?」
「南条、です。」
「じゃ南条、ここに当てはまる式は?」
「はい。え、と…x+4y=-2と…2x+3y=1」
「正解。ここで重要なのは係数が実数であって初めて相当条件が成立することで─」
急にあたると思わなかったからびっくりした…
けれど特に何ということもなく、初めての授業は終わった。
終わると直ぐに先生は教室を出ていき、生徒たちも銘々動き出す。
私もテキストとノートを重ねてスクバにしまう。
と、不意に眼の前が陰った。
(?)
私の机の脇に人影が立つ。
見上げるとそれは先程の紅茶色の髪の男の子だった。
コツコツと黒板に向かいチョークを走らせていた先生がこちらを振り返る。
「ここはどうなるか?今日は誰か聞いてみようか?」
そう言った先生と不意に眼が合う。
「そのセーラー服、菊花女学院?」
訊ねられ、私はこくりと頷く。
「ここの塾に菊花の子が来てるの珍しいね。
じゃあこれ、君に聞こうか。えーと、君、名前は?」
「南条、です。」
「じゃ南条、ここに当てはまる式は?」
「はい。え、と…x+4y=-2と…2x+3y=1」
「正解。ここで重要なのは係数が実数であって初めて相当条件が成立することで─」
急にあたると思わなかったからびっくりした…
けれど特に何ということもなく、初めての授業は終わった。
終わると直ぐに先生は教室を出ていき、生徒たちも銘々動き出す。
私もテキストとノートを重ねてスクバにしまう。
と、不意に眼の前が陰った。
(?)
私の机の脇に人影が立つ。
見上げるとそれは先程の紅茶色の髪の男の子だった。