星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
清瀬くんはゲーセンに着くと、

「舞奈に出来そうなのあっかな?」

と騒がしい店内を奥に進んで行く。

そして途中にある一台の可愛らしい筐体を指した。



「これなら出来っしょ?」

「あ、つむだ!」

時々やってるスマホゲームのアーケード版だ。

「わぁ!つむが大きい!可愛い!!」


私が眼を輝かせると清瀬くんは筐体にお金を入れる。

それから隣の椅子に座り、ゲームをする私を見ててくれた。



「舞奈意外と上手いのな。」

「これはスマホでやったことあるから。」

「リズムゲームとかは?」

「音楽に合わせてステップ踏むやつ?それは無理だよー。」

「ステップ踏まなくていいよ。ボタン押すだけのやつもあるし。来てみ?」



今度はリズムゲームのコーナーに連れて行かれる。



「これなら舞奈の知ってる曲もあると思う。」

「ホント?…

あ、この曲好き。」

「じゃやってみ?」

「うん。」



私がお金を入れると音楽が流れ出す。

スマホの着信音にしているお気に入りの曲。



私はリズムに合わせてボタンをぽんぽん押す。

清瀬くんは相変わらず隣で私を見ている。

画面じゃなくて、私を。



「あんまり見られると緊張するよ。」

「うん。緊張させてんの。

俺にドキドキしちゃってよ。」

「えー!もうっ!」

清瀬くんは楽しそうに笑う。
< 296 / 333 >

この作品をシェア

pagetop