星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
(先生…可愛い。)
それは決して先生を「可愛い扱い」するわけではなく、
純粋に先生という人間が「可愛い」と思った。
男の人、それも歳上の人を「可愛い」と感じたのは初めてだった。
そしてその「可愛さ」は同時に「愛しさ」だと思った。
私の中に閉じ込めてしまいたい、と思った。
それは、生まれて初めての感情。
花火を並べ終えた先生が手の甲で額の汗を拭いながら顔を上げる。
「南条。」
鬼ごっこをしている子供のように頬を紅潮させて、先生が私を呼ぶ。
「そろそろやろう!」
振り向いたその瞳はやはり少年のそれで、そんないつにも増して輝いている先生に私は胸が熱くなるのを止め得なかった。