星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
シュー…パァン!!



私が予告もなしに花火のひとつに点火すると、その音に皆が空を見上げる。



それを合図に私と先生は眼を見合せ、頷き合った。

花火に次々と火を灯す。



目映い光たちが吹き上がる。

一度吹き上がった色とりどりの光たちが、今度は煌めきながら地上に滝のように降り注ぐ。

その真上の夜空には更に光の花が開く。



私はその光のパレードを見上げることなく黙々と火を点けていく。



残り2本。

そう思いライターを花火に捧げたところで、



「熱っ!」



手の甲に火の粉が跳ねた。



「大丈夫か!?」

先生の声がすかさず飛んできた。



かなり痛い。

けれども、

「平気!とにかく終わらす!」



痛む手で残りの花火に火を点け、私はライターを置く。

見ると右手の甲がやはり火傷していて、思ったより大きく赤くなっていた。

左掌でぎゅっと抑える。



同時に同じく火を付け終えた先生が



「南条!」



と駆け寄り、私の両手を取った。
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