星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
光の中を抜けると、二人、闇に包まれる。
皆私たちが離れたことに気付かず、花火にはしゃいでいる。
その声が次第に遠くなるに連れ、先生と私、ふたりきりになってしまったことを余計に意識させられる。
不意に先生が沈んだ声で言う。
「ごめんな。やっぱ南条に手伝わせなきゃ良かった。」
先生の申し訳なさそうな表情に心が痛む。
「ううん、私が勝手にやったから。」
「それを監督するのが俺の仕事なのになぁ…」
建物脇の目立たないところにある流し場に着き、先生が蛇口を捻る。
そしてもう一度
「ごめんな…」
と悲しそうな声で言った。
(そんなこと…言わないで?)
私の右手を流水に浸そうと先生が手を握る力を弱める。
その拍子に、私は先生の手からするりと逃れた。
そしてその逃れた右手で先生の左腕を掴む。
「南、条?」
私は少しだけ背伸びして、先生の端正な横顔に囁いた。
皆私たちが離れたことに気付かず、花火にはしゃいでいる。
その声が次第に遠くなるに連れ、先生と私、ふたりきりになってしまったことを余計に意識させられる。
不意に先生が沈んだ声で言う。
「ごめんな。やっぱ南条に手伝わせなきゃ良かった。」
先生の申し訳なさそうな表情に心が痛む。
「ううん、私が勝手にやったから。」
「それを監督するのが俺の仕事なのになぁ…」
建物脇の目立たないところにある流し場に着き、先生が蛇口を捻る。
そしてもう一度
「ごめんな…」
と悲しそうな声で言った。
(そんなこと…言わないで?)
私の右手を流水に浸そうと先生が手を握る力を弱める。
その拍子に、私は先生の手からするりと逃れた。
そしてその逃れた右手で先生の左腕を掴む。
「南、条?」
私は少しだけ背伸びして、先生の端正な横顔に囁いた。