星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
月日は移ろい、いつしか暑さも和らぎ、夕暮れが早まってきた。




「再来週から始まる三者面談の前に進路の確認をしたいので、これから呼ぶ者は今週中に放課後私のところまでくるように。

相沢。江頭。…」

ホームルームの最後に担任の村田が次々と生徒の名前を呼ぶ。



「南条。」



予想はしていたけど、やはり私も呼ばれる。



村田と進路の話とか、気が重い。



でも、逃げも隠れもできるわけじゃない。





私は仕方なく放課後、職員室に村田を訪ねた。



終鈴直後の職員室は生徒たちでごった返していて、案の定村田の所にも呼び出された他のクラスメイトが来ていた。

仕方がないので、また図書室で時間を潰す。



先生に最後に逢ったあの日も、
こうして図書室で手頃な本を手に取ってぱらぱら眺めたりしながら人目が少なくなるのを待っていた。



でも今日は待つ相手が違う。

やってることは同じなはずのに、こんなにも心持ちが違う。

期待、ときめき、それに切なさ、そんなものが混ざったビターチョコのような気持ちは今日はまるでなく、
ただただ気が重い。
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