星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
「…村田先生。」
私が呼び掛けると村田が顔を上げる。
「あの…進路のことで…」
「あぁ…。」
村田がペンを置き、ファイルから資料を取り出す。
「南条は国大教育学部以外の志望校はどうするんだ?」
「受けません。」
「滑り止めとかもあるだろう?」
「親が国大以外認めませんから。」
「まぁお前の成績ならそれも問題ないだろうがな。
じゃあ結局国大でいいな?この間は随分と抵抗していたが…」
「…なんでもいいんで。」
「……」
投げやりな私の言葉に村田がうんざりしたように額に手を当てる。
「お前の人生だ。俺は構わないけどな。」