星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
その時、その音に混じって誰か階段を駆け上がる足音が聞こえた。



「村田先生!」



「!!」



村田を呼ぶ声と共に角から飛び出してきたのは



先生だった。





「先生、俺が言える立場じゃないのは分かってます。

でもそれは…

学校に迷惑かかるとか、そんなのは南条には関係ないことです!」





「先生…」



先生が村田を強い視線で咎める。



いつも爽やかで甘いマスクと声で私をきゅんとさせる先生が、今は別人のようだった。



それを村田は軽くかわし、冷たい微笑を浮かべる。



「若い人は理想や希望に溢れていて良いものだね。

でも初原先生。

学校というものは理想と希望だけでは成り立たないんですよ。」

「……」

「学校経営というものを考えたことはありますか?」

「教育は商売じゃありません!」

「でも学校の経営が成り立たなくなったら、これから未来ある若者たちを我々が育てることが出来なくなる。

違いますか?」

「…っ!」

先生が悔しそうに歯噛みする。
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