キミノテノヒラノウエ。
仕事に少し慣れてきた私は
仕事場で仲良くなった同期と、時折少し飲んで帰るようになった。

今日の飲み会は参加者が3人。
ミサちゃんとヨウスケくんと私。
海沿いの『bar 南風』が最近のお気に入りだ。
南さんという、渋いマスターと綺麗な奥さんがいて、
おしゃれな無国籍料理と美味しいカクテルが飲める。


明日お休みの私は少し、飲み過ぎてしまったかな。
帰りそびれてしまった。

夜11時を過ぎて薫ちゃんから電話があった。
「帰ってこい。」と結構ご機嫌斜めだ。

「うーん。少し酔いが覚めたら帰るよ。」とご機嫌な声で言うと、
「酔ってるな。そこはどこだ?」
「ここはどこでしょう?」とクスクス笑うと、ミサちゃんとヨウスケくんが
「わかりませーん!」と声を合わせる。

「男もいるのか?店員に変われ。」と不機嫌な声。
私がカウンター越しにスマホをマスターに差し出すと、ぼく?と言ってスマホに耳をつけた。


「てまりちゃん。迎えに来るから、ここから出ないようにって言ってた。」
とマスターが笑う。

「ええー、せっかく楽しいのにい」と言うと、

「オトナの人だね。礼儀正しい。お世話になっています。って言ってた。」とマスターが笑う。

「アレはオトナなんでしょうか?」と呟くと、




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