キミノテノヒラノウエ。
その日から薫ちゃんは朝、高級な外車で、私を店まで送ってくれるようになった。
ご丁寧にスタッフ用の駐車場の前で自転車も車から降ろしてくれる。
もちろん出勤するスタッフにもきちんと挨拶し、
自転車のハンドルを握って両手のふさがった私の頭をポンポンと撫でて、
「じゃーな。ちゃんと働けよ。」と微笑んで車に乗り込む。
私は注目の的だ。
お昼休み。
「ちょっとお、あの人って、昼間にカフェに来るイケメンでしょう?」
「どうやって知り合ったのよ?」
「ひとりだけ、ずるいんじゃないの?」
「紹介して。」
などなどカフェのスタッフに囲まれて言われて固まったところに、
「元、家庭教師で、一緒に住んでるんだよね。」とミサちゃんが顔を出す。
私がコクコクうなづくと、
「ええー。同棲!?」
「なんだー、ちゃんと付き合ってるんだ。」
「ちゃんと言っておいてよね!」
と非難とがっかりした声入り混じった抗議の声が、
「てまりの彼氏が思いがけずイケメンだったってだけですよね。」
とミサちゃんが呆れた声を出すと、
「まあ、そうだけど…」
「次、探そう。」
と、ガヤガヤとため息とともに周りから人がいなくなった。
ご丁寧にスタッフ用の駐車場の前で自転車も車から降ろしてくれる。
もちろん出勤するスタッフにもきちんと挨拶し、
自転車のハンドルを握って両手のふさがった私の頭をポンポンと撫でて、
「じゃーな。ちゃんと働けよ。」と微笑んで車に乗り込む。
私は注目の的だ。
お昼休み。
「ちょっとお、あの人って、昼間にカフェに来るイケメンでしょう?」
「どうやって知り合ったのよ?」
「ひとりだけ、ずるいんじゃないの?」
「紹介して。」
などなどカフェのスタッフに囲まれて言われて固まったところに、
「元、家庭教師で、一緒に住んでるんだよね。」とミサちゃんが顔を出す。
私がコクコクうなづくと、
「ええー。同棲!?」
「なんだー、ちゃんと付き合ってるんだ。」
「ちゃんと言っておいてよね!」
と非難とがっかりした声入り混じった抗議の声が、
「てまりの彼氏が思いがけずイケメンだったってだけですよね。」
とミサちゃんが呆れた声を出すと、
「まあ、そうだけど…」
「次、探そう。」
と、ガヤガヤとため息とともに周りから人がいなくなった。