キミノテノヒラノウエ。
毎週日曜日の夕方から夜21時ごろまで。
甘いモノが好きな薫ちゃんが来る度に、
母が用意するケーキが嬉しくて、
家から遠い医学部受験用の予備校からお姉ちゃんが帰って来るのを待つ間、
私は薫ちゃんと一緒にお茶をするようになった。
贅沢なケーキを頬張っていると
「ちびすけ、自分で作ればたくさん食えるんじゃない?」
と薫ちゃんはいつものように『味見用』といって
私のお皿にケーキをひとかけらフォークで置いてくれながら、笑って言った。
なるほど。
自分で作ればいいのか。
と薫ちゃんが置いたくれたケーキを口に入れながら顔をあげると、
「クリーム。」と顔をしかめて言いながら、
薫ちゃんは私の口の端をナプキンでグイッと拭き取り、
「作ったら、食わせろよ。」と少し口の端をあげて私を見た。
「うん!」と単純な私はすっかり美味しいケーキを沢山食べる自分を思い浮かべて、
上機嫌に返事をした。
それが、パティシエを目指す、
今の私の始まりだ。
甘いモノが好きな薫ちゃんが来る度に、
母が用意するケーキが嬉しくて、
家から遠い医学部受験用の予備校からお姉ちゃんが帰って来るのを待つ間、
私は薫ちゃんと一緒にお茶をするようになった。
贅沢なケーキを頬張っていると
「ちびすけ、自分で作ればたくさん食えるんじゃない?」
と薫ちゃんはいつものように『味見用』といって
私のお皿にケーキをひとかけらフォークで置いてくれながら、笑って言った。
なるほど。
自分で作ればいいのか。
と薫ちゃんが置いたくれたケーキを口に入れながら顔をあげると、
「クリーム。」と顔をしかめて言いながら、
薫ちゃんは私の口の端をナプキンでグイッと拭き取り、
「作ったら、食わせろよ。」と少し口の端をあげて私を見た。
「うん!」と単純な私はすっかり美味しいケーキを沢山食べる自分を思い浮かべて、
上機嫌に返事をした。
それが、パティシエを目指す、
今の私の始まりだ。