キミノテノヒラノウエ。
「てまりちゃん、二次会行かないのお?」

とさっきの高木さんっていう人が店を出た所で声をかけて来た。

「明日仕事なんで。」と下を向くと、

「真面目なんだね。送ろうかあ?」

「いいえ。大丈夫です。」と言ったけど、少しずつ距離が近くなる。

どうしよう…


「てまりと私はお迎えがくるんで。」

とミサちゃんが私の腕を取って、ニッコリ高木さんに笑いかけると、

「なあんだ。じゃ、2次会いこうっとお。」とクルリと後ろを向いていなくなった。

「お先に失礼しまーす。」とミサちゃんが先を歩く先輩たちに挨拶する。


「こ、怖かった。」と息を吐くと、

「やっぱり、てまりに合コンは向いてないね。
なんで、こう、テキトーにオトコをあしらえないのかな。」とクスンと笑う。

「だって、男の人とちゃんと話した事ないもん。」と言うと、

「仕事場では普通に笑って話すじゃん。」

「仕事仲間は気心知れてるし。」

「ふうん。まあ、いいや。薫ちゃん待ってるんでしょ。
私もヨウスケにすぐに戻るように言われてるんだよねー。」

と私の腕を取ったまま歩き出す。

「うん。電話しろって言われてる。」と小さな声を出すと、

「やっぱり、男って心配性だよねー。
ま、お子様のてまりに限っては薫ちゃんの心配もうなずける。仕方ないか。」とミサちゃんはチョット笑った。


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