キミノテノヒラノウエ。
慌てて薫ちゃんの部屋に入ると、旅行用と思われるバッグがベッドの横に置いてあった。
バッグを開けると、

「てまり、慌てないで。」と書かれた紙が1番上に置いてあった。後はお金が入った封筒も…
タクシーの電話番号と、病院の住所。
それと、薫ちゃんの実家の住所らしいものと連絡先が書かれていた。
いつ、用意したんだろう。

昨日も、今日、出かける前もお腹が痛かったはずだ。

そう思うと、薫ちゃんの体調の悪さに気づかなかった自分が悔しい。

私はこぼれた涙を拭って、タクシーを呼んで出かける支度をする。

戸締りをし、ガスの元栓と、電気を確認した。
カーデガンを羽織り、バッグを持つ、


ドアにカードキーをかざして、鍵をかけ、エレベーターで1階に降りると、
ちょうどやった来たタクシーに乗り込んだ。

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