キミノテノヒラノウエ。
「薫ちゃん。私も薫ちゃんとずっと一緒にいたい。
薫ちゃんのそばで生きていきたい。
でも、もう少し待ってくれますか?
2年間の研修期間が終わって一人前のパティシエになれたら、
私と結婚してください。」

と薫ちゃんの瞳を真っ直ぐに見つめると、

「待つよ。
結婚してても、してなくても今と変わらないと思うけど…
てまりが待って欲しいって言うなら、もちろん待つ。
てまり、ちょっと待ってて。」

と薫ちゃんは大きく微笑んで自分の部屋に入って、

小さな箱を持って私の横に片膝をついて座り、

「用意しておいてよかった。」と黒いビロードの箱を開いてダイヤモンドの指輪を見せ、

「てまりの研修期間が終わったら、俺と結婚してください。」とわたしの顔を見つめた。


「…はい。」と私が微笑むと、

私の右手の薬指に大きなダイヤついた指輪をはめて、

「これからもずっと愛してる。」

と長くて甘いくちづけをして、私を抱き上げ、ベッドに運ぶ。



えっと、今日もするの?と言う疑問は


薫ちゃんのくちづけと甘い囁きで


すぐに答えがわかってしまったみたいだ。


< 84 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop