キミノテノヒラノウエ。
帰りの車の中で、

「か、薫ちゃん、こ、子ども欲しいの?」と聞くと、

「欲しいよ。てまりがお母さんなら賑やかな家庭になるだろうな。」とクッと笑う。

何を想像したのか聞かないけど、

私がバタバタ走っている姿が容易に想像できた。


「…薫ちゃん、私にお母さんが務まるって思う?」

「大丈夫だろ。俺がついてるし。」と楽しそうに話す。


なるほど、

私がお母さん…?

「てまり、子どもができたら、すぐに籍を入れよう。」と薫ちゃんは笑った声を出す。

「ええ?」

「お母さんになった、てまりが見たくなった。」

こら、

勝手に決めるんじゃない。


あいかわらず、勝手なひとだ。

と少し笑ってしまう。


「俺は男の子と女の子どっちも欲しいな。」

とか

楽しそうに話し続ける薫ちゃんの横顔を呆れて見つめた。
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