キミノテノヒラノウエ。
おまけ。てまりのテノヒラ。
俺はてまりの体に腕を回し、小さなテノヒラをしっかり握り、

やっと捕まえた。

と毎晩安堵して眠りにつく。


ここまで長かった。


男心ってヤツを全く理解していないてまりは

俺の前で無防備に眠ってしまう。

おいおい。

と何度頭を抱えていたか、てまりは知るわけもない。

ぐっすり寝てるから…。


確かに、

同棲じゃなくて、ルームシェアだ。と確かに言ったけれども…


オンナなら、一応気を使うんじゃないか?


襲われないように、隙を見せないようにと…


っていうのはやっぱり無理だったな。

と深いため息をつきながらてまりの部屋のベッドに運ぶ。



そうっと、ベッドに降ろして、唇にくちづけして、髪を撫でる。


こんな風にキスしてるのに、きっとてまりは気づいてないな。

ファーストキスは俺だろうか?

気づいてないキスは数に入らないか…と少し思う。


ぐっすり眠るてまりの顔を見ながら、

いつか俺を愛して欲しい。とそう思って額に唇を付け、部屋を後にした。







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