from・・・
はじまり
「リタ、遅刻するわよ!いつまでねているの!」

そんなママの声でいつも朝が始まる。

昨日の夜も3時までベンキョー
してたんだから、眠たい。

いままでは、受験なんて
考えてなかったんだけどね。



「はいはいはいはい。わかった。わかった。今いくから。」


別にイライラしているわけではないど、
ちょっと怒ったような口調で返事するのもいつものこと。

時計に目をやると8時30分!
ヤバイ本当に遅刻しそう。
45分発の電車まで、あと15分!


「こんなとき制服だったならどんなにいいことか。」


そんな都合の良いことを言いながら、
いつものジーンズと最近お気に入りの
シャツを着て、いちおう鏡の前へ。



「うん、かわいい!やっぱ、このシャツ買って良かった~!」



机の上の参考書をカバンに詰め込んで、準備OK!

勢いよく部屋を飛び出して、玄関まで向かう。



「いってきまーす。」


「ちょっとまってリタ!朝ごはん食べていかないの?

せめて牛乳くらい飲んでいきなさい。」


「だ・か・らー 遅刻しそうなの!

45分の電車にのらなきゃならないんだから。

今日はパス。明日からちゃんと食べるから!」



本当にママは古風っていうか、なんていうか。

いまどき毎朝、ごはんに味噌汁、焼魚に
漬物、そして果物!
締めは”牛乳”


昔からそうだった、

小学校の時も遅刻しそうでも、
ご飯だけは食べなさいって。


だからよく遅刻した。

学校の先生には、ママがうまく
言っていたようだから特に怒られ
なかったけど、

クラスメートにはよく言われたんだ。
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