嘘つきな婚約者
良さんと、食事に行っていることを、父親がキャッチしたようで、家で母親にも知られるところとなった。
両親は、木崎建設の社長とは、以前から仕事上の付き合いをしてきた。
だから、木崎社長の人柄を知っていて、よいご縁だと思っているらしい。
政略結婚とは言えないだろうが、会社同士にとっても、利はあるはず。
両親は、無理矢理なことはしない。
いつも、私の考えを大事にしてくれている。
だから、私が良さんのことを真剣に考えればいいのだ。
だが、肝心の良さんの態度が掴めない。
私は、何をどう考えればいいのか、分からなくなってしまった。
私は、中学校からの親友、麻生胡桃(くるみ)と会う約束をして、相談することにした。