嘘つきな婚約者
「恵都は、高校はどこ?」
良さんは、私の手を握って話し出した。
「片岡東高校だけど……」
「付き合った彼は、いた?……いや、恵都、ごめん。恵都に謝らなければならない。」
良さんは、私の目をまっすぐに見て、こう言った。
「俺は、田所良だ。高校時代に恵都を傷つけてしまった。本当にすまないことをしたと、あれからずっと恵都にしたことを忘れたことはなかった。何度でも誤る。どうか許してほしい。」
そう言って、私の手の上に、頭を下げた。
私は、
「田所良さん?あなたが?」
私は混乱した。
しばし、どう言えばいいのか、言葉が出てこなかった。