嘘つきな婚約者


良さんは、どうして姓が変わったか説明してくれて、驚いた。

彼は、いつだってカッコよくて、光っていた。

私は、付き合いだしても、恥ずかしさから、まともに良さんの顔をじっくりと見たことがなかったように感じた。

だから、木崎良に出会っても、田所良とは思えなかったのだと思う。


これからは、隠し事もなくなり、順風満帆だとばかり思っていた。

しかし、幸せは、簡単には手にはいらないものだ。
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