嘘つきな婚約者
「由佳理さん、付き添って下さって、ありがとうございます。」
と私がお礼を言うと、
「いえ、私の不注意から、良さんにけがを負わせてしまったので、当然のことです。」
「由佳理さん、恵都がきたので、もう大丈夫ですから、お引き取りください。」
と良さんが、やんわりと言う。
由佳理さんは、一瞬私を睨むと、すぐに笑みを浮かべ、
「わかりました。では、また明日きます。」
えっ、明日もくるの? と、私は、良さんを見る。
良さんは、困った顔をして、
「由佳理さん、そんなに責任を感じなくていいですから。」
「いいえ、治るまでお世話をさせてくださいと、もうしましたよ。」