嘘つきな婚約者
その夜、恵都とマンションに行き、足りない着替えと、仕事の書類などを取りがてら、部屋の掃除を簡単にしていた。
インターホンが、鳴った。
恵都が、
「は~い、どちらさまですか?」
「宗像ですが。」
「良さん、由佳理さんみたい。」
俺は、ちょっと冷たく、
「何でしょうか?」
「私、どうしても良さんの手助けを何かしたいのです。」
「結構ですと、言いましたよね。お帰りください。では、失礼します。」
そう言ってインターホンを切ってしまった。
良さんは、
「あまりしつこいと警察に届けようか、ストーカーで。」
私は、何か背中が冷たくなるような怖さを感じていた。