嘘つきな婚約者
由佳理さんは、突然、私に向かって走り出した。
とその時、私の前に誰かが立ち塞がった。
「由佳理さん、やめるんだ。」
「「良さん!」」
私と由佳理さんが同時に叫んでいた。
その後、二人の男性が入ってきた。
宗像さんと、私の父だ。
「由佳理、それをこちらに。」
宗像さんが、言う方を見ると、由佳理さんの手には、ナイフが握られていた。
きっと私を刺すつもりだったのだ。
「おとうさん……」
由佳理さんは、その場に座り込んだ。
宗像さんは、さっと近づくと、由佳理さんからナイフを取り上げた。
そして、携帯で、警察に連絡を入れようとしたが、父が止めた。
「まず、話し合いましょう、警察は、その後でもいいと思います。そうしよう、恵都、良くん。」
「はい。」
良さんが答えてくれた。