嘘つきな婚約者
6、女性問題
クリスマス、本当なら演奏会だったが、俺の怪我で来年に持ち越された。
だが、鈴木昭孝(あきたか)からみんなで飲もうと連絡があり、俺は恵都を連れて参加することにした。
「恵都、今週の金曜日、バンドの連中と飲むんだけど、一緒に行ってくれないか。」
「いいよ。楽しみ、久しぶりに会えるね。」
「誰に?」
「誰にって、みんなにだよ。」
「それならいい。……」
何か言いたそうな良さん。
「何?」
「いや。……飲み会には昭孝たちの彼女らも来るから、慣れるまで気を使うかもしれないけど。」
「そうなの、楽しみね。話が合うといいけど。」
「大丈夫だよ。俺もいるし。」
「うん、ホローお願いね。」
俺は、また新たな俺の本性が、ばれるだろうなと、恵都の反応が少し怖かった。