嘘つきな婚約者
30分ほど大学時代の話に花が咲いていた。
みんなによると、良さんは始めは取っつきにくそうだったが、話してみると意外とはっきり物を言う性格がわかってきたそうだ。
余り人前では積極的に話さないが、そこが女の子にはかっこよく見えるようで、もてて告白されていたようだ。
「そうか、もてたんだ。」
とじっと良さんを見つめていると、
「そんなんじゃないよ。」
と、私の頭に手をやって、ワシャワシャしてくる。
その時、突然良さんに後ろから抱きつく女性がいた。
「ああ、良の臭いだ。」
良さんが、いやそうに
「はっ、やめろ!」
と、冷たく、肩をゆすって女性を引き離した。
「良、久しぶり、相変わらず愛想ないね。」
私は、二人の様子から、元カノかもしれないと思った。