嘘つきな婚約者
夜なのにサングラスを掛けているから、やはり芸能人だろうと予想はつくが、黒田武瑠のオーラは半端なかった。
女性陣は、じっと見つめ目が離せなくなっている。
男性陣は、誰かがわかり、どうして?と言う顔をしている。
良さんだけは、真顔だ。
私は、仕方なく、
「こんばんは」
それだけを無愛想に言った。
「お友達?」
と黒田武瑠がみんなを見回す。
「はい」
また無愛想に答えた。
早く立ち去ってほしい。
「さて、婚約者がいるのに、合コンはどうかな?俺とは食事すらしてくれないのに。」
ここでそんなことを言うなんて、非常識だ。
「彼が婚約者ですから。」
と良さんを見て、怒った声で言った。