嘘つきな婚約者
「恵都、母の妹、つまり俺の叔母さんで、倉田早苗さん。」
叔母さん?なんて若いの!
びっくりしながらも、何とか声をだして挨拶をした。
「初めまして、佐山恵都です。」
「初めまして、倉田です。3月に結婚式ですってね。今、良からのろけられていたところよ。」
「早苗さん、俺は、結婚式の報告していただけだろ。」
脇から胡桃が、
「先輩、本当に叔母さんですか?すごく若く見えるけど。」
とまだ疑いの目で見ている。
「若く見えるのではなくて、若いのよ。だって、まだ34才よ。姉とは、一回りちがうのよ。」
と、早苗さんが、反論してきた。
「そうなんですか?」
まだ納得しない胡桃に、良さんが、
「事実だから、信じてほしいな。」
「今日のところは、信じて差し上げます。でも、いつも言いますが、恵都を裏切ったら、わかってますね。」
右手をあげて、良さんは、
「誓います。」
と言ってくれた。